インプラントを経験された患者様を見てきて感じたこと・患者様の思い

様々な理由で歯を失う患者様がおられます。その中でも、年齢・お仕事・生活スタイルなども様々です。今回は、私の心に残ったインプラント治療を経験された患者様の例を挙げさせて頂きます。

20代女性のインプラント治療と患者様の思い

この方は、生まれつき歯が人より少ない、いわゆる“先天性欠損”です。この方の場合、上顎の前から2番目の歯が左右どちらもない、というものでした。そのため、歯の隙間がかなり広くなっていました。この先天性欠損は珍しいものではありません。日本小児歯科学会が行った全国調査「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」をみると、歯科を受診した7歳以上の子ども1万5,544人(男子7,502名、女子8,042名)のうち、乳歯の先天性欠如があったのは75人(0.5%)、永久歯の先天性欠如があったのは1,568人(10.1%)となっています。10人に1人はこの先天性欠損なのです。ですが、この先天性欠損が原因で歯列不正になることはよくあります。この方の場合、まず、矯正治療をしました。そして、インプラントを埋入し、最後にインビザラインでキレイに歯列を整えて、上部構造(インプラントの歯となる部分)を入れて、治療が完了となりました。患者様にはすごく長い時間治療を頑張っていただきました。治療開始からおそらく○年○ヶ月の期間でした。このように症例によっては、時間がかかることもありますが、この後の10年・50年ずっと先までメンテナンスをしっかりしていれば一生使用していただけるでしょう。患者様はとても満足された様子でした。

70代女性のインプラント治療と患者様の思い

この方は、上の奥歯がほとんどない状態でした。患者様は「お肉を美味しく食べたい。」と初診時におっしゃっておられました。そしてインプラントを決断されました。上の奥歯は骨が少なく、インプラントを入れるための骨のスペースを作る、サイナスリフトという処置が必要でした。インプラントの本数も多く、サイナスリフト後、すぐにインプラントを埋入するため、手術は大きいものになりました。手術後もストローの使用禁止、お痛み、手術は終わったけれど、すぐ歯は入らないので、もどかしさや、辛い日々があったことと思います。手術が終わってからは、前歯の被せものがかなり古いものだったので、被せもののやりかえ、歯周病の治療を進め、○ヶ月が経ち、インプラントの最終的な被せ物(上部構造)を入れました。前歯のかぶせのやりかえ、奥歯に歯が入ったことで、顔つきが変わり、パッと明るくなりました。歯が入った後はスタッフみんなに笑顔を見せて、退室されます。お肉も美味しく食べられているそうで、現在の明るい患者様を見ると、私まで元気がもらえます。今後もメンテナンスに元気に来院されるのをスタッフ一同楽しみにしています。

20代女性のインプラント治療と患者様の思い

この方も奥歯にほとんど歯が残っていませんでした。昔、逆流性食道炎を患っていたそうです。胃酸により歯が溶けてしまうのです。そしてこの方は結婚式を控えていらっしゃいました。式は○ヶ月後の予定でした。インプラントをしたい、でも歯科恐怖症で怖い。様々な葛藤があったことと思います。たくさん患者様と今後の治療についてお話し、インプラントを決断されました。歯科恐怖症であることと、手術の負担を考え、静脈鎮静(意識がない状態でのオペ)をおすすめしました。サイナスリフト、GBR(インプラント埋入の為に骨を作ること)、○本埋入のオペをしました。術前、患者様には禁煙していただくこと、お痛み・腫れが伴うことをお伝えしていました。患者様は充分にご理解いただき、術後はかなり安定されていました。その後、最終的な被せ物が入り患者様は感動しておられました。

60代女性のインプラント治療と患者様の思い

3本のブリッジを使用されている患者様です。他にも歯がない部分はあったのですが、患者様の希望でブリッジの歯がない部分にインプラント埋入をしました。手術はシンプルな埋入のみだったので、インプラントを入れるスペースを形作るドリルからインプラント埋入まで3分ほどで終了しました。麻酔・レントゲン・写真等は別時間です。最終的な被せ物が入った後、患者様は「こんな楽なら一気にやればよかったなぁ。」とおしゃってました。その後、その他の部位にも埋入し、患者様は毎日快適!とおっしゃっています。

最後に

まだまだ様々な患者様がおられます。年齢層も様々です。若くてインプラントをされる方ももちろんおられます。インプラントは高額です。外科手術を伴うこともあります。ブリッジの使用は平均10年ほどでやり変えが必要です。他の歯牙への負担も大きいです。入れ歯も同様です。インプラントはメンテナンス次第で一生物です。メンテナンスは、もちろんですが健康な歯でも必要です。「もっと早くにしていればよかった」との声をよくお聞きします。患者様の生活、その時のタイミングもあると思います。ただ、“歯”や“健康”は人生に大きく関わってきます。

人前で当たり前に歯を出して笑える幸せ、美味しいものを選ばず食べられる幸せ、コンプレックスの解消等、インプラントで得ることができる幸せは多くあります。

手術で辛いのは一瞬、喜びの時間は一生です。

皆さんは美味しく選ばずお食事できていますか?

生活していく上で歯がないことにストレスを抱えていませんか?

お悩みの患者様、たくさんおられることと思います。

当院ではその患者様のお悩みに真摯に向き合い、噛める喜び、コンプレックスのない生活を送れるよう務めさせて頂きたい、スタッフ一同心より思っております。

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