子供の虫歯予防

こんにちは!今回は『子どもの虫歯予防』についてお話しようと思います!

小さいお子さんがおられる方、食事・生活習慣・仕上げ磨きなど様々な場面でお子様の虫歯を心配されることがあると思います。

実際、来院されて「歯磨きをする際、暴れてしっかり磨けない・・・」「歯磨きした後のジュースがやめられない・・・」など様々なお悩みを耳にします。

どこをどのように注意すれば良いのかなど予防法を知ることで、お悩みが少しでも軽減されるのではないかと思い、ポイントをまとめてみました。

子どもの年齢によって虫歯ができやすい部位が違う

子どもの年齢によって虫歯ができやすい部位が違うことはご存じでしょうか?ここでは、子どもの年齢別に虫歯ができやすい部位についてご紹介いたします。

3歳までに虫歯ができやすい部位

上の前歯の歯と歯の間や歯と歯茎の境目が虫歯になりやすい部位です。3歳未満の乳幼児の、上の前歯の舌側(ベロ側)にできる虫歯を「哺乳う蝕・哺乳びんう蝕」といいます。

2歳を過ぎても、寝かしつける際に哺乳びんでミルクや甘味飲料などを飲ませながら寝るという習慣が原因です。寝ている間は唾液の分泌が減り、口腔内の甘味飲料などは飲み込まれずに前歯を覆ってしまいます。

このような虫歯を防ぐためには、糖質を含んだ飲料を飲みながら寝る習慣をやめさせる必要があります。

3歳以降に虫歯ができやすい部位

奥歯の溝や、歯と歯の間に注意が必要になります。この頃になるとおやつを食べる習慣ができ、歯の溝におやつが詰まり、砂糖の摂取量が増えることにより虫歯のリスクが高まります。1日1回おやつを食べる量と時間をおうちのルールとして決めることをおすすめします。

6歳ごろに虫歯ができやすい部位

奥歯に6歳臼歯という初めての永久歯が生えてきます。乳歯と比べて、歯の噛み合わせ部分の溝が深い為、汚れが詰まりやすく、歯ブラシが届きにくいので、虫歯になりやすいです。

必ずしもこの順番に虫歯になるとは限りませんが、乳歯は永久歯に比べ、歯の表面のエナメル質が薄くやわらかい為、虫歯になりやすく進行が早いのが特徴です。

日頃、特に虫歯ができやすい部位はチェックし、より丁寧な歯磨きが必要になります。

子どもの歯磨きについて

ここからは子どもの歯磨きについてお話していきます。

仕上げ磨きはいつまですればいいの?と、よく質問をいただきます。目安として、5歳までは保護者の方がメインで磨いてあげてください。

その後、小学校3年生ごろまでは、お子さんが磨いた後に仕上げにみてあげてください。乳歯と永久歯が混合し、歯並びが複雑で磨くのが難しい時期です。磨き残しを補うような感じで仕上げ磨きを行ってください。

仕上げ磨きを行う際は、子どもを仰向けに寝かせて頭をひざの上にのせ、あごを手で押さえながら上から覗きこむように磨きます。急に動かないようしっかり固定が必要です。

歯ブラシはペンを握るように軽く持ち、歯と歯茎の境目など、見にくい部分は唇を優しくめくって磨いてください。

子ども用と仕上げ用の歯ブラシは分けて使用するのがおすすめ

子ども用と仕上げ磨き用で歯ブラシを分けて使用するのをおすすめします。子ども用の歯ブラシは子どもの成長に合わせて選び方が変わってきます。

0~2歳の子ども用の歯ブラシについて

この頃の子どもがする歯磨きは遊び感覚でOK!口にものを入れることに慣れさせます。安全のためにハンドルが太く持ちやすく、曲がる構造になっているものがおすすめです。

ブラシの毛がやわらかく、平たくカットされているものを選んでください。仕上げ磨きは(機嫌が良い時に)短時間で切り上げましょう。軽い力で細かく磨いてください。

歯ブラシを入れると、嫌がったり唇や頬の緊張が強い場合は、無理に歯磨きを進めるのではなく、頬や口の周りを触るなどのスキンシップを行い慣れさせましょう。

3~5歳の子ども用の歯ブラシについて

3歳ころから自分で磨くシャカシャカ磨きの練習を始めさせましょう。

慣れてきたら前歯と奥歯を分けて10回ずつシャカシャカと音がするように磨かせてください。しっかり磨くため、ブラシの毛の硬さは「ふつう」で平たくカットされているものを選んでください。

仕上げ磨きでは、夜寝る前は惜しまずしましょう。仕上げ磨きを習慣づけていきます。ぶくぶくうがいができるようになると、歯磨き粉も使用できます(フッ素配合)。

泡が邪魔になり歯磨きの時間が短くなってしまう場合は、ジェルタイプのフッ素入り歯磨き粉や、歯磨きをした後に、フッ素入りスプレーの使用がおすすめです。デンタルフロスもこの頃から使い始めましょう。

6歳~の子ども用の歯ブラシについて

磨き残しやすい前歯の裏や奥歯の裏側、生えたてで背の低い第一大臼歯(6歳臼歯)など意識させます。1カ所20回は磨くようにしましょう。

歯の生え変わりの時期です。奥歯まで磨ける長さがあるブラシを選んでください。仕上げ磨きでは、生え変わりで凸凹しているので歯並び合わせて磨く工夫が必要です。生える途中の第一大臼歯は背が低いため、ブラシを歯列に沿って動かしても当たりません。ブラシを横から入れて磨いてください。

小学4年生頃になるとひとりでデンタルフロスができるようになるので、やらせてみましょう。ひとりでできるようになっても任せっきりにせず、しばらくは見てあげてください。

歯磨きを嫌がる場合は、楽しい動画や歌をながしたり、手鏡を持たせ、「ここにムシばい菌がいる!」「ぴかぴかになってきたね~」などお口の中に興味をもたせ、磨きたくなるような会話をしましょう。一番大事なのは、笑顔で楽しい雰囲気と、とにかく褒めることです✌

子どもの虫歯予防のためにできることとは

おうちでの虫歯予防は歯磨き・正しい食生活が大事です。歯科医院では、フッ素塗布・シーラント(※)・歯磨き指導(染め出し)などを行い、虫歯を予防します。

※歯の溝を予防的に埋め、歯磨きしやすい状態にする処置のこと

フッ素塗布

歯科医院では高濃度のフッ素を使用します。定期健診の際に塗布することで、初期虫歯の予防や、酸に負けない強い歯になります。

これと毎日の歯磨きで使用するフッ素入りの歯磨き粉(低濃度)を継続的に使用することで、

溶けたエナメル質の修復(再石灰化)、歯質の強化、細菌の活動を抑えるなど、さらなる虫歯予防になります。

シーラント

生えたての奥歯(永久歯)は歯の噛み合わせ部分の溝が深い為、汚れが詰まりやすく歯ブラシが届きにくいので、虫歯になりやすいです。

シーラントはこのような奥歯の溝を白いプラスチックの材料で埋める予防法です。

奥歯が乳歯から永久歯に生え変わるタイミングでシーラントをすると、より効果的です。

歯磨き指導(染め出し)

歯磨き指導は、子どもの時期に定期的に行えば、大人になってからも習慣化されます。

歯磨き指導を行う際に染め出し剤を使用する場合があります。

プラークの染め出しをすると、現在付着しているプラークがはっきり確認できます。定期的に染め出しを行うことで、苦手な部位が分かり、普段の歯磨きの改善につながります。

まとめ

このような歯科医院での予防処置+おうちでのケアが、さらなる予防につながります。

小さな子どもにとって、歯医者は怖い場所、歯ブラシは嫌なことと意識づけされてしまうと、

すぐに意識を変えるのは難しいことです。

虫歯になって初めて歯医者に来院し、怖い思いをしてトラウマになる子は多いです。小さな頃から予防として歯科医院に通い、歯医者に慣れさせることで意識は変わります。

おうちでの歯磨きも同じです。歯磨きの際、普段から笑顔で楽しい雰囲気をつくることで

歯磨きは楽しいことと認識し、習慣づけることができます。

コロナウイルスが原因で以前のように外出ができず、お母さんやお父さん、お子さん共にストレスが溜まっていることと思います。

歯磨きで逃げ回るお子さんにキーッとなってしまっているかもしれません。しかし、おうち時間が増えた今だからこそ、お子さんとしっかり向き合える時期でもあると思います。

お子さんと一緒に歯磨きを見直してみてはいかがでしょうか?

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