歯科医師が解説抜歯後の注意点とは?

こんにちは!

今回は、抜歯後の注意事項について紹介していきます。当院では、親知らずの抜歯や、矯正の為の抜歯などで、歯を抜かれる患者様が多くいらっしゃいます。

その時にもお話しさせて頂きますが、ブログでもお話しさせて頂きますね。

①ガーゼはしっかりと噛んで下さい。

傷痕を圧迫して血を止める為、30分間は噛んでいて下さい。その間に歯を抜いた部分が凝固した血液に覆われ、血が止まります。ただし、長時間ガーゼを咬んでいると、口の中に唾液が溜まり、固まった血が溶けて、血が止まりにくくなります。

その後、数時間は血が唾液に混じった状態が続きますが、気にしすぎて頻繁に唾を吐くと、かえって出血の原因となります。唾液に血が混じると、多量に出血していると錯覚しやすいのですが、ほとんどの場合、心配要りません。

しかし、傷の上に血の塊が盛り上がってきたり、口の中が血の塊でいっぱいになるというような状態は異常出血ですから、至急ご相談下さい。

②抜歯後数日は、血流が良くなることは避けて下さい。

過激な運動、入浴、飲酒などを控えないと、抹消血管が拡張して、再度出血するおそれがあります。また、腫れや痛みが強くなることもあります。

③食事は麻酔が切れてから食べること。

抜歯後は穴が空いている状態です。麻酔が効いている状態で食事をすると、口の感覚が麻痺しているため、抜歯した箇所へ刺激を与えてしまう可能性があります。また、舌を噛んでしまったり、飲食物の温度を感じ取りにくくなっていたりするため、火傷をしてしまうこともあります。

抜歯後は穴に血が溜まり、かさぶたの代わりとなり穴が塞がっていきます。しかし、穴が塞がらない状態を”ドライソケット“と呼び、強い痛みが続くだけではなく、傷の治りも遅れてしまいます。

そもそもドライソケットとは??

「ドライソケットとは、抜歯後の傷に血餅(血液がゼリー状になったもの)がみられないために歯槽骨が露出し、傷に強い痛みがあることをいいます。 抜歯の偶発症で、下顎の骨に埋もれた親知らずの抜歯後に起こる可能性が多いです

。 」

穴が塞がるのを定着させるためにも抜歯後の食べ物選びはとても重要です!

基本的には抜歯後は麻酔処置をしてるため、2〜3時間は食事を避けた方が良いです。抜歯をした当日はなるべく柔らかく、刺激のない食べ物を選びましょう!

おかゆや、ゼリーなど柔らかい食べ物を中心にお食事をしていただくことをオススメします!

抜歯治療後の避けておきたい物

アルコール

アルコールの血管の拡張作用によって血が止まりにくくなってしまいます。

少なくとも、抜歯当日~数日はお酒を避けるようにして下さい!

辛い食べ物、固い食べ物

傷口を刺激してしまう恐れがある為避けた方がよいでしょう!

麺類、ストロー

楽に食べれる物で選びがちですが、吸う動作によって傷口のかさぶた代わりのものが取れてしまうことも!

タバコ

有害物質ニコチンが毛細血管を収縮させるために傷の治りが悪くなります。抜歯後にかかわらず喫煙は歯周病を悪化の原因にもなります。これをきっかけに禁煙にチャレンジしてみてください!!

④手術部位を指や舌で触らない

舌や指で抜歯した部位を触ってしまうと、出血を招いたり、感染やドライソケットの原因となります。また、抜いた穴にご飯粒などが入ることがありますが、無理やりとったりしないでください。傷口が余計に炎症を起こしてしまう可能性があります。

また、抜歯後に糸で抜いた場合に糸がとれてしまうと、傷口が開きますので、出血したり、治りが悪くなります。糸が気になると思いますが、できるだけ触らないようにしましょう。

⑤3日間は強いうがいを控える

強いうがいや何度もうがいをすると、抜歯後の傷口のふたの役目をしている血の塊が流れてなくなる可能性があり、細菌感染しやすくなります。

⑥お薬は必ず指示通りに最後まで服用して下さい

頓服と内服とは、それらの違いは何かご存じでしょうか。

頓服は、食後など決まった時間ではなく、発作時や症状のひどいときなどに薬を飲むことを頓服といいます。内服は、定期的に決まった時間に薬を飲むことを内服といいます。代表的な内服薬についてご紹介いたしますね。

抗生剤

抗生剤とは細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする薬のことを指します。 抗生剤は抜歯後の痛みを抑えるために飲みます。痛いのは辛いし、嫌ですからね。

鎮静剤

鎮痛剤とは、痛みに対する鎮痛作用を有する医薬品の総称。口語で痛み止め。感覚をなくす麻酔薬とは区別される。 鎮痛剤は、中枢神経系・末梢神経に対し様々な機序で作用する。

菌が進入するのを防ぐためにお飲み頂いております。抜歯した後というのは、菌が入りやすく、感染しやすいため、予防的に飲むお薬です。菌が入ってからでは、大変なことになります。絶対にお薬を飲んで下さいね!!

⑦抜歯後の歯磨きについて

抜いた部分の歯茎に歯ブラシの毛先が当たらないように弱い力で磨いて下さい。それ以外の歯は通常通りに磨いても問題はありません。

また、歯ブラシは歯科医院で指示がなければ普段使用している歯ブラシで磨いて問題ありません。もし、抜歯当日に歯科医院から処方された歯ブラシがある場合は、専用の歯ブラシを使用しましょう。

⑧抜歯後は傷口の確認が必要 

抜歯後は傷口に問題がないか、異常がないか、確認をさせて頂きます。また、傷口を縫われた患者さんは、抜歯後から1週間後に糸を取らせて頂く必要があります。それまで傷口は清潔に保ちましょう。

痛みが出たり、腫れが強くなったりしたら、早めの受診を心がけましょう!!放置はいけません。症状が悪化するのみです。

⑨血が止まらない場合の対処法

抜歯後に血が止まらない場合の対処法についてご紹介いたします。

抜歯したところをガーゼで噛む

清潔なガーゼ、またはティッシュなどを、自分の歯と同じくらいの大きさに丸めて、30分間しっかりと噛み続けます。 その後、出血量が減れば、問題ありません。

うがいを控える

血が止まらないからといって口をゆすぎすぎてしまうと、 血液のカサブタのようなものが剥がれ、血が止まりにくくなります。 口の中に血が溜まってしまう場合は、 吐き出すようにして、できるだけゆすがないようにしましょう。

飲酒、激しい運動、長風呂はしない

抜歯をした後にお酒を飲んだり、運動や長風呂をすると、 血液の循環が良くなり再度出血することがあります。 抜歯をした当日は、飲酒は避けて、 運動は翌日以降に行ってください。 また、お風呂はシャワー程度にしましょう。

抜歯をした当日~2日後は、唾液に血が混じったり、 血の味がしたりすることはありますが、 異常がなければ出血や痛みは徐々に軽減してきます。 歯を抜いた部分は触らないようにして、体を安静にしましょう。

また、感染などのトラブルを避けるために、処方されたお薬は指示通りに飲んでください。 もし、それでも出血が続くようであれば、至急、受診をお勧めします。

⑩内出血について

抜歯を行った部位の皮膚が内出血を起こし、青黒くなったり、首元が黄色くなることがあります。通常はだんだんと黄色く変色しながら内出血の部位が下のほうに降りてきて最終的にはなくなります。

これらの症状は通常1~2週間程度で落ち着きますがが、それ以降に症状が増悪する場合にはご連絡ください!!

まとめ

いかがでしたでしょうか??抜歯後にはこんなに沢山の注意事項がありますが、ちょっとした配慮で、抜歯後の経過がかなり楽になります!

また、心配事などありましたら、何でもご相談下さい。