なぜ歯ぎしりをしてしまうのか?その原因や種類、歯ぎしりの改善方法をご紹介

こんにちは!今日は歯ぎしり「ブラキシズム(口腔内悪習慣)」についてお話しします。

歯ぎしりの種類とは?

歯ぎしりにはタイプがあります。上下の歯をギリギリと横にすり合わせるタイプ(グライディング)、あまり音を立てず強く噛みしめるタイプ(クレンチング)、上下の歯を合わせてカチカチと鳴らすタイプ(タッピング)、その両方が混在したタイプです。

グライディングやタッピングは睡眠中に多くみられます。音がするため、周囲の人に指摘されて気づくケースが多いです。

クレンチングは眠っているとき音が出にくく、日中に行っている場合は無意識のうちに歯を食いしばるタイプなので、自身でも気づきにくいです。このタイプは、意識してみると、気づいたら歯を食いしばっていた、歯を噛み合わせていたということも珍しくはないです。

どちらのタイプも睡眠中など無意識のため、周囲の人や歯科医院で指摘されるまで気づかないことが多いです。

またご自身で

*朝起きたとき歯や顎が痛い・疲れている

*歯が欠けたり割れたりしたことがある

*頬の内側や舌に歯形がついている

*頭痛・肩こりがある

*何かに集中しているとき、無意識に上下の歯が噛み合っている

など、このような症状かあれは歯ぎしりをされている疑いがあります。

歯ぎしりの原因とは?

歯ぎしりの多くはストレスが原因です。人間は、歯ぎしりをすることでストレスを解消していると言われています。また飲酒や、眠りが浅いときに(閉塞性睡眠時無呼吸症候群でも起こる)睡眠中の歯ぎしりが起こりやすくなります。逆流性食道炎や歯並びが悪いことも歯ぎしりに関係があるといわれています。

歯ぎしりがストレス解消になっているとはいえ、やり過ぎはよくありません。通常、起きている時の噛む力は自分の体重くらいです。しかし、睡眠中の無意識にしている歯ぎしりは、体重の5.6倍もの強い力が出ていると言われています。

また、通常上下の歯の間には2mm位の隙間があくのが安静時の正常な状態であり、1日で上下の歯は17分しか接触しません。生活している中で、歯にこれ以上の負担がかかると、痛みや悪影響が現れます。

歯ぎしりによって起こる症状とは?

歯ぎしりによって起こる影響は様々です。ここでは歯ぎしりによって起こりうる症状についてご紹介いたします。

顎関節症

歯ぎしりなど何らかの原因で耳の穴の前にある顎関節や下あごを動かす筋肉(咀嚼筋)に負担がかかり、「あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」「口が開かない(開口障害)」「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」などの症状がみられます。

顎ばかりでなく、肩こりや、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。このように症状は広範囲にわたり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいです。

歯の咬耗

ずっと歯ぎしりを行っていると奥歯など強い力が加わっている歯が削れ、噛み合わせの面が平らになっていきます。また、咬合面に過度な力が加わることにより、歯と歯茎の境目のエナメル質が徐々に崩落(欠ける)します。このことを「くさび状欠損(WSD)」といい、知覚過敏の原因にもなります。

歯の痛み

歯の周囲の「歯根膜」が炎症を起こして噛むと痛くなる場合があります。

噛むと痛い、上も下も左右も痛い、場所の特定ができない、痛みの位置が変わるなどの場合は歯ぎしりが原のことが多いです。痛みが強い場合、歯に亀裂が入り細菌が神経に感染し、神経が死んでしまっている場合があります。

舌と頬粘膜への影響

歯ぎしりで上下の歯を常に接触されていると口腔内が陰圧になり、頬や舌が吸い寄せられて歯に密着し、歯のラインにそって頬に線がはいり、変形します。圧痕は体に害はありませんが、外傷を作ってしまう可能性があります。

骨隆起

骨隆起とは顎の骨が厚く膨らみ、コブのようになっている状態のことを言い、上顎や舌の下、歯茎に沿ってできます。歯ぎしりなどが原因で、過度な力が加わることにより、歯を守るために周りの骨が発達して起こると考えられています。力が加われば加わる程どんどん成長していきます。

顎の変形

歯ぎしりを繰り返していると顎周りの筋肉を過剰に使うため、発達し、大きくなっていきます。その為、エラが張っているような顔になってしまいます。

このように、歯ぎしりを長期間放っておくと他の症状を引き起こすリスクがあります。より悪い症状を引き起こさないためにも、すぐに改善のために行動を起こすのが大切です。

歯ぎしりを改善する方法

歯ぎしりによる影響の改善に効果的なのは、マウスピース(ナイトガード)です。マウスピースの硬さには種類があり、歯ぎしりがひどい方はハードタイプ、歯ぎしりの力が弱い方はソフトタイプを使用してもらいます。

基本的に寝ている間に使用しますが、昼間も食いしばっている方(重い荷物を運んだり、パソコンなどを使用し、集中する時間が長い方はしていることが多い)は、昼も使用すると効果が大きくなります。

歯ぎしりを止めることはできませんが、装着することにより、直接歯や歯ぐきにかかる負荷を防げます。また、顎の関節にかかる力も軽くなるので顎関節症を予防でき、筋肉の緊張も解消されるので、肩こりや頭痛を軽減することができます。

マウスピース以外にも治療法はあり、歯並びによる悪い咬み合わせのせいで影響が出ている方は、歯列矯正を行うことで改善される場合かあります。

その他にも、ボトックス注射という治療法もあります。美容目的で使用されるイメージがありますが、緊張している筋肉に注射することにより、筋肉の動きを弱めて歯ぎしりによって緊張してしまった筋肉の緊張を和らげることができます。発達した咬筋を小さくする効果もあるため、小顔効果もあります。

まとめ

ご自身で日頃の生活を意識することも、改善に繋がるかもしれません。日中、上下の歯を接触させていないかを意識するだけで変わる可能性もあります。

また、浅い眠りも歯ぎしりの原因にもなります。毎日適度な運動を行い、体内時計を整え、生活習慣を整えることにより、ストレスが減り睡眠中の質を上げることができます。

歯ぎしりは、無意識のうちに口腔内や体調にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

この生理現象とうまく付き合っていく為に、気になったらすぐに歯医者に行きましょう。

その辛い症状は、もしかしたら歯ぎしりが原因かもしれません…

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